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タコ

地中海は、良質なタコが良く獲れる。

シチリアを周った時の話。
シチリア島のカターニャという町から、バスで乗り継いで
港? 漁村? (名は忘れた)についた。
そもそも、乗るバスを間違えて行ってしまったのだ。

町に戻るバスが来るのに時間が会ったので港を散策してみると、
パラソルの下、真っ赤に日焼けした、太ったおじさんがいた。
大きなナベを火にかけて何か茹でている。

何を茹でているんだろう?と思っていると、そのおじさんが手招きする。
周りを見渡しても、誰もいない。
俺か?と指をさすと、頷いて更に手招きをした。
怪訝に思いながらも近づいていくと、

おじさん「どこから来たんだ?」
俺「日本から来た」

と言うと物珍しそうに、「へぇ~~っ」と言った。
そして、日本にはこんなのあるか、とナベを指さす。
ナベの中を覗くと、真っ赤というかどす黒い水。でもとてもいいにおいがする。

俺「なんだいこれ?」

と聞くと、おじさんは後ろの箱を見せてくれた。
その中には「生きたタコ」。

そしてナベの中を大きいフォーク?ヤリ?のようなもので刺すと、
そこには、トロトロに茹でたタコがあった。
せっかくなので一つ貰って食べてみた。

おじさんはナタみたいな包丁で、適当にバンバン切って皿に盛る。
レモンを半分に切って、バージンオイルをかける。

これだけ。
「お粗末なもんだ」と俺は思った。

おじさんは俺にそれを手渡すとニヤニヤしている。
何だよと思いつつ、食べてみた。

これが「うまい!!!」口の中で溶けるとまで言わないが、とにかく柔らかい。
東京での修行時代、タコのコンフィを作る時に低温のオーブンで
長時間かけてやわらかく煮たことがあった。

そんな事を思っていると、おじさんがうまいか?と聞いてくる。
うまいね、と言うと白ワインをごちそうしてくれた。
これもまた「うまい!!!」

時期的には6月頃だったと思う。
イタリアには梅雨がないので日差しも強い。
おまけにこの時期はアフリカ大陸から地中海を越えてシロッコという熱い風が吹いてくる。
とにかく暑い。
真っ赤に日に焼けたおじさんも、まるで茹でたタコみたいだった。





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テーマ : イタリア
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シャンゴ

Author:シャンゴ
群馬県にある、イタリアンの老舗「シャンゴ」のシェフをしております。宜しくお願いいたします。

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